錯覚の持続性はいつまで
一時の感情は錯覚だと思う。ある時間を過ぎればその感情はいつのまにか消えている。そのときだけ何かがいつもと違って見えて通常じゃない思いが感情になる。でもそれはその人の中で起きてるだけの話。錯覚と言うしかないと思った。じゃあ消えるタイミングはいつになるだろう。一分後か一年後か10年後か死ぬ間際までか。
例えば、結婚した双方は死ぬまでお互いを好きでいるのだろうか。
例えば、一度仲違いした旧友同士は死ぬまで恨み合ってるのだろうか。
どちらとも死ぬまでそういう思いが続くこともあるだろうし、いつかどこかのタイミングで錯覚の糸が切れてしまうときもあるだろう。
不安定で脆い。
ずっと、とかそんなものはないことくらい分かっているし信じてもいない。
私の好きだという思いも錯覚でいつか途切れてしまうものだとしたら、これを抱えてながら生きていくのはひどく苦しい。なのにいつも何らかの錯覚を持ち合わせてる気がする。人はそんなものなのかもしれない。錯覚がなかったら楽しくないのかも。ずっと続いたらいいのにと願ってしまうかも。そんな私らしくないことを思ってしまった。
でも私の嫌いだと言う思いは錯覚じゃない気がする。負の感情は確かな感覚な気がする。憎しみとか復讐とか戦争とか確かなものじゃなきゃ持ってはいけないような代物だと思うし錯覚とか幻想とか夢の類だったら良かったのにとも思う。よくできている何も誰も責められない世界だ。
錯覚が始まったらそりゃあ迷ったり悩んだりするんだろうけど、そんなこと後にはどうでもよくなっているくらい確かなものだったりする。自分の中でありえないと思ってたことさえ起きる。
不満で不思議でめんどくさい。
だから好きな錯覚くらい長く続いてくれよって溜息をつきたくなった。